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デジタルの強みを活かして京都企業でオンライン副業

今回、プロ人材事業参加グループ会社のなかでSNSを活用したプロモーションや、企業の公式アカウント運営に携わる植田祐介氏(株式会社FIELD MANAGEMENT EXPAND)に、オンラインを活用した京都の老舗企業での副業についてお話を伺いました。

–広告映像領域以外でキャリアを広げる

副業を意識したのは2021年10月頃、社内向けのニュースで、内閣府プロ人材事業を活用した社員の副業レポート記事を見たことでした。
広告や映像に携わっている弊社グループの人材が、エビの養殖事業や、地方の観光開発、工務店の支援など、日本全国の様々な業種に携わっている事に驚き、興味を持ちました。また、自分のスキルの幅をひろげたり、様々な企業の経営者と直接お話できることにも、魅力を感じ応募に至りました。

その後、弊社のプロフェッショナル人材事業の担当者から、京都の伝統産業に携わる『洛中高岡屋(以下、「髙岡屋さん」という)』を紹介された時は、自分の経験・スキルを本当に活かせるのか?不安でした。しかし、髙岡社長との面談で、老舗でありながら、さまざまな面白い商品をつくっていることがわかり、商品の認知度が上がれば、売り上げがついてくるようなポテンシャルを感じたため、デジタルマーケティングやSNSマーケティングを活用すればお力になれることもあるのでは、と思い副業契約を結びました。

–初日、キックオフで指標の共有

私のミッションは『ECサイトへの集客アップを目的としたSNSの運用、及びサイトの売上拡大を目的とした、コンテンツマーケティングの実施』です。
副業開始は、2022年4月1日。基本はオンライン会議を活用していく想定でしたが、まずは髙岡屋さんのことを詳しく知りたいと思い、初日は社員の皆さんとの顔合わせも兼ねて京都の本社を訪問しました。京都駅から本社に近づくにつれて、緊張が高まりすぎて具合が悪くなっていったのを今でも覚えています。

事前にECサイトのアナリティクス権限を共有いただいていたので、髙岡屋さんのオンラインストアの現状をまとめたキックオフ資料を持参しました。
アナリティクスで注目したのは、2021年のある日にアクセスが集中していたことです。その要因を髙岡屋さんと紐解く中で、実は新聞に髙岡屋さんの記事が掲載されていたことがわかりました。新聞記事を読んだ人が大量にwebに来てくれたんですね。
メディアへの露出は他にもあるにもかかわらず、この日の新聞記事だけがアクセス数に大きく貢献した要因を分析していく過程で、どういう言葉・内容であればユーザーの心が動くのか、そしてサイトを見に行くアクションにつながるのか、今後のSNS活用にとってたくさんのヒントが発見できました。

また、キックオフミーティングでは、ECサイトへの集客アップを目的に『ユーザー投稿が増えるようなSNS運用を目指すこと』を指標として、毎月定量的、定性的なレポーティングをしてはどうかという提案をしました。
というのも、髙岡屋さんの社員の方が実務の合間に写真をとって、文章も考えてSNSに投稿する作業は、業務量として結構なボリューム。にもかかわらず、その投稿がユーザーに響いているのかどうかもよくわからないまま、ただただSNSを投稿していくことは、社員の皆さんにとってしんどいのではないかと考えました。そこで、指標を設けて効果をみていくことで、改善策の検討やさらなる効果的な投稿につなげることができ、売り上げにつながる有意義な作業とすることができるのではないかと考えました。

その後は、毎週金曜日に1時間、オンライン会議を開催。それぞれの担当者の進捗確認と、その日のテーマに沿って議論をします。そして、月に1度はInstagram/ECサイト それぞれのアナリティクスを分析し、どういう投稿でサイトへの集客やユーザー投稿が増えたのかなどレポートを元に議論をしています。

会議以外では、Slack(スラック)というチャットツールを使って、日々コミュニケーションをとっています。
担当の方から、「こういう動画をつくってみました!どうでしょうか」という投げかけに、「ちょっと映像が暗いので明るくしましょう」とアドバイスをしたり、髙岡屋さんに関するSNS投稿をチェックして、「こんなユーザー投稿みつけました。すぐにリポストしましょう!」みたいに連絡したり。スマホ、PCどちらからでも即レスが返せるのでスピード感を持った運用ができています。

オンライン会議以外でまとまった時間を要する月次のレポーティングは、ミッションに関わる大切なことなので、週末などに時間をかけて作成しています。
私自身、分析に関しては専門分野ではなかったので、分析手法や最新のマーケティングに関する本を読んで自分で勉強したり。
そういう時間も必要なため、本業との両立は、時間的にも大変ですが、小さな成功体験の積み重ねを髙岡屋さんと共有しながら、一緒に考え、実行していけるため楽しいことでもあります。

–オンライン副業はデジタル分野と相性抜群

オンラインで副業人材と仕事をすることに、ハードルを感じられる企業さまもいらっしゃると思いますが、例えば、デジタルマーケティング、SNSの運営であれば、日々の動きをスマホでチェックできますし、Slackなどチャットツールを使えば、デジタルの利便性を最大限に活かして、コミュニケーションを取りながら業務を進めることができるため、距離を感じることは、あまりありません。

もちろん髙岡屋さんとの副業も、すぐに上手くいったわけではなく、歯車がかみ合うまで最初の数か月はお互いに探り探りでやっていました。コミュニケーションの方法は、色々あるので、お互いベストな方法を試行錯誤しながら進めていくことが大事かなと思います。

広告がとかく邪魔者扱いされる昨今、私たちは『好意的認知』という言い方をするんですけど、単に認知を上げるだけでなく、どう好きになってもらえるかを弊社の社員は常に考えています。映像分野だけでなく、イベントだったり、インフルエンサーに強い社員もいたり、色々な経験・面白いスキルを持っている人だらけです。

今後もっとオンラインによる副業人材を活用される京都企業が増えれば、弊社の社員との色々なマッチングが実現するのではと思っています。

–自信と喜びを得られた副業

今回の副業ミッションは『ECサイトへの集客アップを目的としたSNSの運用、及びサイトの売上拡大を目的とした、コンテンツマーケティングの実施』。要は売り上げ拡大です。
副業開始から5ヶ月の契約満了を迎えた時、ECサイトの売り上げがものすごく上がっていたわけではなく、素直に目標達成とは言い難い状況で、正直、契約の延長はないかなと思っていました。
それでも、延長のご提案をいただいた時は、めちゃくちゃ嬉しかったです。そこで初めて、この取り組みをある程度は評価していただけている、と感じることができました。

また、社長から、私と業務を進めていくなかで、髙岡屋社員の皆さんのスキルアップにつながっている、と言っていただけた時は、感動しました。
あくまで自分はデータを見ながら仮説や提案をするだけで、実際に実行するのは髙岡屋の社員さんです。社員の皆さんは自分たちでやる、という高い意識で行動されており、そんな皆さんのスキルアップに貢献できていることが嬉しいです。
特に、デジタルマーケティングや広告分野では積み重ねが結果につながるものも少なくないため、副業をする側としては髙岡屋さんのように、社員のスキルアップになっているかなども含め、長期的な視点で一緒に取り組んでいただけるのは有り難いです。

約10ヶ月経ちましたが、まだまだ試行錯誤の途中です。
ECの世界は奥が深く、プロモーションを通して顧客の心を動かし、売り上げにつなげるためには、企業イメージや商品、時代の空気、ターゲティングなど様々な要因を考慮した上で、どんな施策がハマるかは、やってみないとわかりません。
そんな中で、今回の副業で2回延長していただいたことは、自分の自信に繋がりました。

副業は、評価されなければ、そこで契約終了です。延長していただいたことで期待も感じますし、よいプレッシャーでもあります。期待に応えてもっと数字的な結果を出していけるように、髙岡屋の皆さんと協力し合ってこの副業に取り組んでいきたいと思っています。

–京都で副業をしてみて

副業を始めるまで、恐れ多いことに京都へ行ったのは修学旅行の1回きりでした。今では家族に「京都かぶれ」と言われるほど、京都が大好きになりました。3ヶ月に一度くらいのペースですが、京都への出張を満喫しています。

実際、日帰りしようと思えばできるのですが…家族にはわがままを言って出張時には、自腹で毎回一泊しています。打合せ後に京都の美味しい料理を食べ、サウナに入って、早朝、鴨川沿いを10kmほどランニングして、家族にお土産を買って帰る、ということを自分への頑張ったご褒美として楽しんでいます。
京都の凄いところは、どこのお店もおいしい!食のレベルの高さに驚かされます。

今後は、京都の魅力を東京や他のエリアの人にも伝えて、京都を好きになってもらい、髙岡屋さんをもっと好きになってもらうための新たなSNSの取り組みも始めています。

敢えて京都以外の視点を取り込むことで、社員の皆さんの新たな気づきや、他エリアの新規の顧客獲得、延いては売り上げに貢献していけると嬉しいと考えています。

▶洛中高岡屋公式オンラインショップ
https://www.takaokaya-shop.com/ 

▶インスタグラム  
https://www.instagram.com/takaokaya_jp/    

▶AOI TYOグループ プロフェッショナル人材事業 取り組みのご紹介
https://ath-projinzai.com/