活動実績
実際にマッチングした実績をご紹介
得意な人から教わることで、自分たちのスキルも上がる!
1961年創業以来、布団や座布団作りの伝統の技を用い、人々が寛ぐ道具~寛具(かんぐ)~を、企画、製造している株式会社髙岡。機械をできるだけ使わず、職人の手で作られた商品を営業担当が考えた企画で、百貨店、通販会社、建築設計事務所、インテリアデザイン事務所への卸売りの他、国内向け、海外向けECサイトでの販売も行っています。
人々の思いやりと細やかな手仕事により、寛ぎを届け、ひとりひとりのライフスタイルに合わせてお好みの色を選べるようにオーダーメイドの商品作りを続ける髙岡で、どのように副業による外部人材を活用されているのか、代表取締役 髙岡幸一郎氏に伺いました。
▶ 社内にない知見を外部から得る
弊社は、国内百貨店などへの卸売りの他、ECサイトによる国内外の消費者への直接販売、国内をはじめ、ドイツ・フランスで開催される展示会への出展など、積極的に国内外の販路開拓をしてきました。
そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、2019年を最後に国内外の展示会への参加ができなくなったのですが、その代わりに、ECサイトの売上が徐々に伸びてきました。緊急事態宣言の様な規制の発出で不要不急の外出を控える世の中になり、店頭よりもオンラインで購入する方が増えたことが要因の一つでした。オンラインでの購入が今後も拡大が見込まれるとの判断から、国内外ともECサイトにもっと力を入れた作りこみが必要だと感じました。
ECサイトでの販売は比較的早く取り入れていましたが、そのECサイトの販売力を強化するには、①ショップとしての構造・構成 ②ショップへの誘導、集客方法 ③購買に繋がるコンテンツ、この3つを見直す必要がありました。
社内にこうしたことに対応する専門的スキルを持った人材はいないし、この3つの知見をもった人を、採用することは非常に難しい。
そこで、以前『新規事業の開発などに、副業による外部人材の活用を取り入れている企業が増えている』という記事を新聞でみていたので、自社でも活用してみようと考えました。
▶ 集客・情報発信のプロとの出会い
関東にお住まいで、コマーシャルビデオなどを制作する広告系企業のディレクターをされている方と業務委託契約を結びました。1週間に1度、1時間程度のオンラインミーティンで、国内ECサイトへの集客拡大のための情報発信方法やそのコンテンツ等のアドバイスをしていただいています。
副業開始当初、2回ほど京都に来ていただきました。私たちの会社を十分に理解してアドバイスをいただくには、まず実際にお会いして、会社や工房の現状、課題を共有することが大切だと思ったからです。
契約内容で、「月20時間は弊社の業務をしてください」などの、時間の取り決めはしていません。
契約期間で国内ECサイトの集客力をアップさせ、売上拡大を計ることを共通目標に、決して週1回、1時間のミーティングだけではなく、私たちが出す売上データなど、しっかり見て、分析までしてくださっていますし、Slack(スラック)というチャットツールを使って、私たちから投げかける質問にも常に回答してくださっています。SNSの写真の撮り方についても細かくアドバイスを送ってくださり、非常に助かっています。
収益の上がるサイトにしていくために、集客・情報発信を本業とされている方と出会えたことは、大変心強く感じています。
でも副業による外部人材の方との仕事は初めてでしたので、本当に上手くいくのか不安でした。外部人材の方も、私たち(株)髙岡がご自身の仕事・アドバイスに、きちんと応えてくれる企業なのか、半信半疑だったのではないでしょうか。
何事もやってみないと分からないこと。外部人材の活用は、雇用ではなく、あくまで業務委託契約。お互いにダメだと思ったらそこで契約を終了することができます。
幸い私たちが出会った方は、「自分が関わった企業にもっと成長して欲しい」という想いを持った方で、私たちのような小さな会社でも、伸びしろがあって、やりようによってはもっと伸びると感じてくださっている、そう感じました。 今では、何でも相談できるし、言い合える、良い関係を築けていると感じています。
▶ 知らない間にすごいスキルを身につけている
外部人材の活用には、社員の中にも戸惑いはあったと思います。
でも結果的に社員のスキルアップに繋がると考えています。
今、企業の新商品などの情報発信で有効な方法は、インスタグラムに情報をアップすることだと言われています。ただ、どんなあげ方がいいのか、どんな写真の撮り方がいいのか、手探りで一から試行錯誤するより、情報発信を得意としている外部人材の方に教えてもらいながら自分たちでやっていけば、どんどん上手くなるし、早くなる。知らないうちにすごいスキルが身についてくると思っています。
お金を出して広告を打つことは簡単ですが、延々と広告を打ち続けなければならなくなり、資金力のない会社は、途中で続けられれなくなります。
それなら、自分たちで情報発信の方法を学んで、自分たちの力で集客できる力を身につければ、高い広告料を払わずに、自分たちのスキルや利益とすることができるはずです。私自身、外部人材の方に教わるために、自らWEBの勉強も始めました。
そのような考えで、5ヶ月以上にわたって外部人材の方と一緒に取り組んでいくと、自分たちも理解できることが増えてきて、お互いに「ああしよう、こうしよう」という意見が嚙み合ってきました。
▶ 価値を活かすのは、私たち次第
自社の情報発信を専門業者さんに依頼するやり方もありますが、今回はそれを選択しませんでした。外部人材との仕事は、十分価値があると思います。しかし、その価値を活かすのは、私たち次第です。
売上を上げるために、自分たちのやり方に固執していては、収益も上がらず、会社は事業を続けられなくなることもあります。自分の考えだけでいけているなら、とっくに売り上げも上がっているはずです。色々な話を聞いて、取り入れていくと、自分の考え、幅も広がります。自分で一から考えてやっていくと、相当な時間がかかります。
だったら、知見を持っている方に教わって、自分たちの仕事に活かしていけばいいのです。
私たちが外部人材の方に依頼した最終的な目標は、ECサイトの売上を上げること。その目標に向かってもう少し共に取り組んでいただきたいと思って、契約期間をさらに延長することにしました。
今、外部の方と一緒に作りこんでいるECサイトは、ネットでモノを売るだけの道具ではなく、BtoB向けの営業ツールとして、企画書にも、カタログにもなるようにしていきたいと考えています。そのためには、どんな情報や言葉を記載すればいいかなど、アドバイスもいただきながら、我々は「寄り添う・くつろぐ・笑顔・おすそ分け」の4つのサイクルを意識して、更に良いショッピングサイトを作って、皆様の寛ぎを提供できる商品をお手元に届けられるように、全員で力を合わせていきたいと思っています。