活動実績

実際にマッチングした実績をご紹介

エルティーアイ株式会社

【ミドル層のインターンシップ | 技術職】

インタビュー:代表取締役社長 坂部 昌一

- 受入前の課題は?

当社は,2001年の創業以来「安全・安心・環境」という事業テーマを掲げ,電気を使わずに暗闇で発光する物質PLC(蓄光)の原理を応用した当社独自の特許技術を用いて,防災備品として国内初となる製品「アルファ フラッシュ」をはじめ,停電時の避難誘導で力を発揮する蓄光標識や蓄光テープ,蓄光顔料の開発・製造・販売を行うベンチャー企業です。
現在では,官公庁のみならず,国内外の鉄道事業者様,一般消費者様など,多くのお客様にご使用いただき,低炭素社会の実現に貢献できるよう取り組んでおります。

今年20周年を迎え,名実ともに技術のエルティーアイと認知いただく時期に来たと考え,ベンチャー企業から中堅企業に脱皮したいという思いに至りました。
そこで,これまで少数精鋭で行ってきた自社ブランド製品の企画・開発・製造および販売までの業務を,ものづくりの様々なノウハウを持つ大手企業での技術部門経験者によって見直しを行い,技術部門の増強や,新人を迎えた際に必要な業務マニュアルの整備,また企業にとって更なる強みとなる特許技術の確立を早期に実現したいと考えました。


- どのような人材を採用した?

大手メーカーに38年間在籍し,品質保証部門で部長職の経験を持つ人を,ミドル層のインターンシップ制度を利用し,お試し期間を設けず採用しました。専門分野が化学・フィルムのコーティング技術,加工であり,これはまさに当社製品に直結した専門分野であることから,当社にとって即戦力と考え大いに期待するものです。長年の経験というものは,言葉では表しきれない知識や経験を持つことを意味し,まさにノウハウの塊という人材と考えます。

またパソコン機器(ハード)にも強く,システム面でも頼りにできると考えました。

- 今回採用した人材の業務内容は?

各工場のレベルや製品の加工内容に即したQC工程図の作成や,知財(特許)出願資料,各種マニュアル(試験・検査・作業などの手順書)の作成など,業務優先ゆえに,つい後回しにしていた業務を主体に取り組んでもらっています。

- 採用した人材はどのように活躍しているか?また,会社にはどのような効果があったか?

大手企業における品質管理の仕組みを把握しており,それぞれの工場のレベル・加工内容に応じたQC工程図・各種書類作りに取り組んでいます。

製造を委託している外部工場は,上場企業レベルの海外工場から町工場レベルまで様々です。特に町工場レベルでは,ものづくりをする上で重要となるQC工程図がない場合が多く,常々そうした中小クラスの工場においても,QC工程図を整備したいと考えていましたが,今まで着手できずにいました。
そこで今回,大手企業での経験を活かし,QC工程図の雛型作成とともに,工場責任者とコミュニケーションを取りながら、現場に即した工程図の完成に至りました。QC工程図によって製造工程をすべて把握することは,当社のようなファブレスメーカーにとって品質維持,ダムの役割を果たす上で必須なものであり,自社製品の品質安定・向上への貢献度は高く評価できます。

品質問題発生時には,仕入れ先への対応や管理方法についての改善策を,実体験に基づく具体例を示しながら解決に導く手法が可能で,若手社員にとっても非常に頼りになる存在といえます。専門的知識・知見を持つ専門家の存在は,大手取引先からの信頼度を増す上でも大変重要といえます。

また,当社はファブレス企業であるため,実際のものづくりの現場から物理的に離れることで,若手社員が加工工程を熟知しにくい環境のため,加工のノウハウを若手社員に対して丁寧にレクチャーし,身につくまで繰り返し教育を行うというように,社員育成にも良い影響を与えてくれていると思います。

- 「担い手交流」チャレンジプログラムに参加してよかった点

通常のハローワークなどでの募集では恐らく困難と思われるほど,こちらの募集条件に合った人材が,タイムリーに確保できたと感じています。ベンチャー企業から脱皮の時を迎え,更なるステップアップを考える”今”,必要とするプロの技術専門職を採用できたことに感謝しています。

また,今回新たにもう1名,同じく大手メーカーに40年間勤務の生産管理部門での管理職経験者を採用することができ,心強く感じています。その担当者は,納期遅延の対応や仕入れ先とのコミュニケーション力の向上に貢献しており,今後さらに業務改善・効率化に寄与するものと期待しております。

–  今後の展望は?

大手企業クラスの客先に満足頂くだけでなく,さらにハイレベルな特許技術に挑戦し,だれもが驚くような製品を開発したいと思っています。
今回2名の大手企業出身者を獲得することができたチャンスを活かし,当社の事業に合致した適切な品質管理・品質保証・外注管理体制の構築と,知財(特許)部門での特許登録は早期に実現し,エルティーアイ創業からの20年間に蓄積した独自技術をさらに向上させ,本来の企業理念である災害時の人命救助事業の思いを実現して参ります。

そして,極めて高い特許技術を保持することにより,国家プロジェクトとも対等に亘り合えるレベル・価値を持つ企業であることを証明したいと考えています。