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株式会社ワコール × 株式会社 淡交社

【次世代リーダーのレンタル移籍  経営企画職】

インタビュー:総務局 経営企画室 室長 伊藤 英起

京都市地域企業「担い手交流」チャレンジプログラム 次世代リーダーのレンタル移籍,第一号である株式会社ワコール 大塚さんが出向されて2ヶ月。受入企業の株式会社淡交社 経営企画室室長の伊藤様にお話を伺いました。

―大塚さんが所属されている経営企画室は,どのような部署ですか?

経営企画室は,令和3年6月に弊社の組織変更により新設された,人事・採用・社内システム・新規事業など,社内外の業務全てに関わる部署です。

新規事業には,茶道を長年嗜まれている既存のお客さまに向けた新たなコンテンツの提供と,茶道未経験者をターゲットにした新規顧客獲得プロジェクトの2つの事業があります。大塚さんには,主に新規顧客獲得プロジェクトに関わっていただいております。

―ワコールから出向されている大塚さんは,淡交社でどのようなことをされているのですか?

部署の性質上,携わっていただいている業務は多岐にわたりますが,現在は主に「ホテルエミオン京都 1階」に出店している「茶瑠 CHALYU BY 淡交社」の運営やイベント企画などに注力してもらっています。

―具体的に「茶瑠」の運営業務について教えてください。

「茶瑠 CHALYU BY 淡交社」は,茶道や日本文化に興味がある方に,“気軽に茶の湯の世界に触れていただける空間”をコンセプトとした「茶の湯体感施設」です。商業施設の一角に本格的な四畳半茶室や茶庭を造り,スタッフのもてなしで茶の湯を体感していただくだけでなく,抹茶や京都の老舗菓子舗の上生菓子を日替わりで味わえるカフェスペースや物販スペースを併設しています。店舗のターゲット層は,まさしく大塚さんと同年代の女性であるので,メニュー改定や物販商品の選出,店内レイアウト変更など,全面的に携わってもらっています。

普段お客様と接するアルバイトスタッフの意見を上手に取り入れながら,テーブル選びや,茶道具,書籍を購入されるお客様の導線を考えた商品レイアウトも考えてくれています。

-イベントの企画では,どのように活躍されていますか?

10月3日と11月3日に「茶瑠一周年記念イベント」を開催しました。業者との打ち合わせやイベント当日までのスケジュール管理,アルバイトスタッフとの綿密な事前シミュレーションなど,大塚さんが中心となって運営してくれました。

その他に,ホテルエミオン京都とのコラボレーション企画として,お部屋でお茶の世界を感じていただける「茶瑠コラボルーム」を設けました。ルーム内には宿泊者限定の上生菓子や,室内やホテル屋上でお抹茶を楽しんでいただける「お抹茶セット」,着物の帯生地を利用したベッドスローなど,企画の内容から部屋のレイアウト・小物まで大塚さんの女性ならではのアイデアが数多く取り入れられています。

―大塚さんが御社に出向されたことでどのような効果が生まれましたか?

まず,自社の生え抜き社員とは違った視点からアイデアを出してくれるところです。弊社は茶道に深く関わる業務内容であるため,お茶の世界の常識や制約など,業界で「当たり前」とされることに囚われてしまうことがままあります。逆にお茶の世界を知らない大塚さんだからこそ,自身がお茶の世界に触れて感動したこと,美しいと感じたことなどのリアルな体験を基にして,まだお茶に触れたことの無い女性に向けた「新しい魅力の伝え方」ができるのではと考えています。

―大塚さんが出向されてからどのような変化がありましたか?

今までは,経営企画室の男性メンバーだけで「茶瑠」の運営をしていたのですが,ターゲットの絞り込みや運営に対する問題提起にも甘い部分がありました。
今は,大塚さんがワコールでのリーダー経験を活かして丁寧にアルバイトスタッフへのヒアリングを行ない,細かなところまで課題の洗い出しをしてくれています。これからの観光シーズンに向けた「茶瑠」の運営体制のより良い改善ができることを期待しています。

―これから残りの出向期間で期待することは?

茶の湯の精神や立ち居振る舞いをベースとした「研修コンテンツ」を提供する新規事業にも関わっていただきたいと考えております。女子力向上や社会人ビジネススキルを上げるために茶の湯は最適であると考えています。すでに大塚さんから,出向元であるワコールの皆さんにお茶の世界に触れていただけるような企画の提案をいただいているので,そのコンテンツをベースに,他の企業様の要望に合わせた「研修コンテンツ」を提供できるように一緒に進めていきたいと思っております。
他にも,ワコールのクリエイティブ職で培われたスキルを活かして,一般の方がお茶の世界を感じることができるような新商品の開発にもチャレンジして欲しいですし,期待していることはたくさんあります。

―社外から出向人材を受け入れるのは大変だと思いますが,このプログラムに参加して,どのように感じていらっしゃいますか?

今回,京都市の事業である「地域企業『担い手交流』チャレンジプログラム」の受入企業として参画したご縁で,大塚さんに来ていただけたことは,本当に良かったと思っています。
ワコールで培った経験をしっかりと咀嚼し,異なった業界に活かそうという前向きなパワーを感じます。自分の意見を相手に伝わりやすい形にして提案してくださいますし,こちらの要望に対する修正力もあります。新しい知見とやり抜く粘り強さ。淡交社の新規事業計画がスピートアップしているのを感じます。

―出向者の受入に関心を持っていらっしゃる企業さまへ一言お願いします。

組織として変革の必要性を感じる時期というのは,どの業界にもあると思います。もしそのタイミングが今だとすれば,異業種との人材交流は,選択肢として非常に有効なものだと今回の「担い手交流」チャレンジプログラムに参画して実感しました。また受け入れ企業だけでなく,プログラムに参加している出向者にとっても,新たな知識や経験を積む機会となりますし,このご縁が,ひいては新たなプロジェクトに進展していく可能性も大いにあると感じております。
私自身としては,関心をお持ちなら検討する価値は十分にあるのでは思います。

※今後,出向者へのインタビューも実施し,掲載予定です。